黒色女子を個人授業

大城さんに連れられるがままオフィスビルを出て、大通りを抜けたあと、一本奥まった裏道へ入った。

人がごった返す大通りとは対照的に、一本中に入っただけで、人通りはまばらだ。

私たちは少し距離を置いて歩いたけれど、静かなこの道ならば十分声が届いた。

考えてみれば二人きりで話をするのは久しぶりで、どことなく感じる緊張感がふたりの距離に反映されていたのかもしれない。


「いいんですか? こんな時間にサボって」

「コンビニに行くくらいはいいんじゃない?」

大城さんはそう言うとクスクスと笑い始めた。

「相変わらず、つれないよね。天野さんって。どうしてそんなに意地悪なの?」


意地悪なのはそっちじゃないか。

私は少しむくれた顔で彼を見る。


「それで? 天野さんは順調なの?」

「ええ。すごく順調ですよ」

今さら心配をかけたくない。私は強がりを言った。