黒色女子を個人授業

エレベータを待ちながら、大城さんが私にお礼を告げた。

「今日は遅くまでありがとうございました」

「いえ……」私は首を横に降る。


私が残業してでも直すことを選んだのだから、お礼なんて言われる筋合いはない。

むしろ、私の自己満足のために二人を付き合わせる形になってしまった。


「私は間違っていたでしょうか」

「ん?」

突然の問いかけに、彼はこちらを振り向いた。

「私が意固地に『修正をする』と言ったから、お二人を遅くまで付き合わせてしまって……」

「ああ、その話?」

彼はフッと軽く笑って、視線を正面に戻した。

「別にどっちが正しいかなんてないよ。
まぁ、正直、直さないで済めばラッキーだし、全員分の拘束時間と残業代を考えたら、直さない方が得だって考え方もあるけど」