黒色女子を個人授業

「私、この部署に移動願い出してるんだ。
だからこの仕事は入部テストみたいなもので、評価がかかってるの」

「移動願い……?」

酒井は驚いた様子で首を傾げた。

「先輩、デザインが好きって言ってたじゃないですか。
なんでまた別の部署なんかに……」

酒井が言い終える前に

「ダメなのよ、あの部署じゃ」

宮間は苛立ちも隠さず吐き捨てた。

「どんなに頑張ったって、ダメなのよあそこじゃ。
酒井くんもあの部長を知ってるでしょ?
女ってだけでまともに取り合ってくれないんだから」

心の中に溜め込んでいた不満が、次から次へと溢れ出す。

「女性社員はどんどん寿退社していくし、私まで『そのうちいなくなるんだから』って取り合ってもらえないし。
そういう女ばかりじゃないのに。
どんなに頑張ったって見向きもされないんじゃ、やってる意味ないじゃない」