黒色女子を個人授業

『……なんだよそれ』

男が苛立ち始めたのが分かる。

それはそうだ。彼は自分のために尽力して、やっとお膳立てを整えてくれたというのに。

肝心な当の本人が二の足を踏んでいたのでは。

「もう少しだけ、見守ってやりたい人がいるんです」

『何それ。女?』

「……まぁ、女性だけど」

それを聞いた男は電話越しでもわかるような大きなため息を漏らした。

『人生最後のチャンスかも知れないんだぞ?
そんなに大事な人なのか』

「……まあね」

大城のただならぬ決意を感じたのか、男は引き下がった。


『……わかった。来月までには返事をくれよ』

そう告げて電話が切れた。