黒色女子を個人授業

突然。


強い力で腕を引かれ、乱暴に身体が横へ弾かれた。


目を開けると、矢追さんの身体が私とは逆の方向に弾け飛んで、背後にあった鉄製のラックに背中から突っ込み、耳をつんざくような大きな音を立てた。


「……!!」

掴まれた腕の痛みと音と衝撃で、私は身体を縮こませて再びぎゅっと目を瞑る。


ゆっくりと目を開くと、私と矢追さんの間に立ち塞がる背中。


「っ何であんたがここに入れる! 鍵がかかっていたはずだ!」

吹き飛ばされたショックで、矢追さんは動転しながら叫ぶ。


「インフラの担当者に鍵をお借りしてきました」

平然と言い放つと、私の前に立つ背中――大城さんは、矢追さんへ覆いかぶさるようにして胸ぐらを掴み上げた。

静かな殺気を携えて告げる。


「彼女に手を出さないでいただきたい。
……大事なクライアントといえど、これ以上は許しません」