黒色女子を個人授業

「大丈夫、女性ならこのくらいのことみんなやってますよ。
罪悪感なんて感じる必要はない」


このくらいって、何……?


その問いに答えるかのように、彼は私の肩に手を回す。

もう片方の手で腰の辺りを触れられ、とっさに逃げようとした私の身体にパソコンのラックが当たって、今の自分が身動きのとれない状況であることに気がついた。

身体を這う指の感触が気持ち悪い。

振りほどこうとするも、自分の心の中にある打算――大城さんに認めてもらいたいという欲求が邪魔をする。


……そもそもこの厳重な密室で、彼を振り払うことなんてできるのだろうか。

辺りに人は見当たらない。大声を出しても、部屋の外まで届くとは思えない。

第一、外にいる大城さんに声が届いたとしても、内側から鍵のかけられたこの部屋に入ることはできない。


目の前のこの人が本気になれば、私の自由を封じることも容易いんじゃないだろうか。

男と女。筋力も体格も差がありすぎる。


自分の危機的状況に気がついてしまって、ゾッと全身の血の気が引いた。


どうしよう……!


矢追さんとの距離感がより一層近づいて、怖ろしくなった私はギュっと目を閉じた。