黒色女子を個人授業

大城さんが自分のことを『私』と呼んだ。

これはクライアントの前でしか見せない、大城さんの仕事モードだ。

私の勝手な行動に対して本気で怒ってる……


「すみませんでした」「すみません」

私と宮間さんが口々に謝ると、「それと、」と大城さんは席を立った。

少し離れたミーティングスペースへ私だけ招き寄せる。


「その修正って、本当に直す必要があるものなの?」

「え……」私は言い淀む。

「資料は一通り私も目を通しているし、そこまで問題なかったはずだ。
宮間さんが何を言ったか知らないけど、君が不要だと判断したなら突っぱねなさい。
君の方がこのプロジェクトのことについては詳しいし、立場だって上のはずだよ」

「……はい」

「もっと堂々としていなさい」

そう言い残すと、彼は自分のデスクへと戻った。



……情けない。

正月早々怒られてしまった。

ここのところ、失敗ばかりしている。

いい加減にしないと、本当に見限られてしまう。