黒色女子を個人授業

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「天野、今日中にこの資料作っといて」

と乱暴に書類を投げつけてきたのは、口の悪さと態度のでかさで有名な先輩の今井さん。


正直、私はこの人が苦手だ。

残業となると極端に嫌な顔をするし、なんというか……こう……仕事に対する熱意みたいなものが感じられない。

だからこそ、大城さんより歳上だが部下というイマイチな立場に甘んじているのだろう。


「わかりました」

いつもの調子でサラッと答えたものの

あ、飲みの約束……

思い出して、思わず斜め前に座っていた花の顔を見てしまった。

花は、仕方ないなぁ、という風に頷く。



花と酒井くんの二人がオフィスから出るのを見送ったあと、『終わり次第合流するから先に飲んでて』とメールを送った。

頼まれた資料をテキパキと終わらせて、なんとか9時前。

よし、十分合流できる! とPCに開かれていたファイルを保存し、閉じようとしたそのとき。

あれ……

あることに気が付いてしまった。