黒色女子を個人授業

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静寂に包まれたビル群に私の靴音だけが響いた。

たまに思い出したように車が通り越して行く。道を歩く人の姿はない。


正月のオフィス街は廃墟のようだ。

吹き付ける渇いた風。冬独特の凛とした香りがする。


こんな特別な日も悪くない。


いつもと違う空気をなんだか贅沢に感じながら、慣れた道を歩いた。



正面玄関はさすがに開いていなかった。

私は裏口に周り、カードキーを使ってドアを開ける。

エレベーターでいつもの階へ降りて、薄暗い廊下を通り抜け、突き当たりの扉を開くと、真っ暗なオフィスの一角だけ明かりが灯っていた。

そこから人の話し声がする。