黒色女子を個人授業

「天野さん、これ仕様が違う!」

再び彼女が火を吹いた。

今度は出来上がりの完成度どうこうって話じゃない、完全なる私のミスだ。


「すみません、すぐに直します」

私が慌てて謝ると

「そういう問題じゃないわ。もうクライアントの手に渡ってる資料なんでしょ?
頭を下げなきゃいけないのはあなたじゃなくて、大城さんなんだから」

わざとだろうか? 数メートル離れた大城さんの席まで届くように声を張り上げて、宮間さんは言い放った。


「あー……天野さん、ちょっと」

少し離れた位置から大城さんが手招きをする。


「……聞こえちゃったんですが。どこが間違ってるって?」

私は大城さんの席に回り込み、PCのモニターを指差しながら指摘された場所を教える。


しゅんと小さくなっている私に大城さんは気遣った。

「気づかなかった僕にも責任がありますから」

庇ってもらうなんて。余計に申し訳ない気持ちになる。