黒色女子を個人授業

「……また厄介なメールがきたぞ?」

不意に今井が面倒くさそうに呟いた。大城はモニターにメーラーを立ち上げる。

メールは客先からプロジェクトチームのメーリングリスト宛に届いていた。

今日の打ち合わせで話が出た追加のデザインを今月中に見せろ。でなければ承認できないーー要約するとそんなような内容だった。


「今月って、一体あと何営業日あると思ってるんですか……」

思わず笑ってしまった。

ずいぶん簡単に無茶を言ってくれるな。


「差出人は、例のセクハラのオッサンかぁ。
向こうもこんな時間まで仕事とは、こりゃ当て付けだな」

「あの人、厄介なんですよねぇ」


通常であれば断るところだが、古くから懇意にしてもらっているクライアントだ、多少赤字を出してでも満足してもらいたいというのが我が社のスタンス。無下に断るわけにはいかない。

かといってほいほい受けられるレベルの要求ではなかった。