黒色女子を個人授業

「天野、俺さ、天野とは気兼ねなく話せるし、一緒にいて楽だし、
これからも今まで通りの関係で居たいんだけどさーー」


酒井くんはゆっくりとした歩調で、ときたま私の顔を覗き込んだり、うつむいたりしながら話し始めた。


「ーーもっと一緒に居たいって気持ちもあって。
……天野に特別な人が出来たら、嫌だっていうかさ。
例えば、大城さんみたいな……」


私は出てきた名前にびくっと反応した。

「ち、違うからね? 本当に前も言ったとおり、付き合ってるとかじゃ……」

過剰反応する私を「いや、そうじゃなくて」と落ち着かせながら、酒井くんは続ける。


「二人の関係が付き合ってる付き合ってないかが重要なんじゃなくて」

酒井くんは立ち止まり、私に向き直ってハッキリと言った。


「天野が大城さんのことを好きなのが嫌なんだよ」