黒色女子を個人授業

天野がお茶を入れようとする姿を見て「俺がやるから、病人は寝てて」と交代を申し出ると、だいじょうぶ、いいからいいから、と急須の奪い合いになり、ちょっと強引に天野の背中を押して座らせた。

慣れない台所でカチャカチャと探り探りお茶をいれて、お見舞いの苺を洗う。


「はいどーぞ」

机の上にコトリと、苺が山盛りになった皿を置いた。

天野の顔が一瞬パッと明るくなる。


……苺、好きなんだな。

花山から聞いた通りだ。


すぐに喜びを押し殺したような表情に戻すが、口角がちょっと上がっている。

……照れたな。


「ありがとう。いただきます」

苺を口にいれたときの表情は、ほんのり幸せそうだった。


……なんだよ。

可愛い顔、するじゃん。


天野の幸せそうな顔が見れて、ホッとした。

なによりこの表情を自分に見せてくれたことが嬉しい。