黒色女子を個人授業

「あの、大城さん……」

『……ん?』

呼び止めてみたものの、次の言葉が出てこなかった。


どうしよう、何て言えばいい?

ありがとうとか、嬉しいとか、そういうことを言わなくちゃいけないはずなのに

どうして? とか、どういうつもり? とか、不信感丸出しの言葉ばかり出てくる。


せめて一目だけ……


「待っ……」

言いかけて再び眩暈に襲われた。


「っ……」

よろけて壁に手をついた拍子に携帯電話を取り落とす。


カシャーン


落ちた携帯電話が足元の何かに当たって、渇いた音とともに地面を滑っていった。

私はそのまましゃがみ込んで動けなくなる。

意識が遠のく。