黒色女子を個人授業

『ところで君の家って、何号室?』

「301ですけど。何かありましたか?」

どうしてそんなことを聞くのだろう。仕事で住所が必要な書類でもあったのだろうか、とぼんやり考える。


『家は覚えてたんだけどね、ほら、この前タクシーで送ったときに。
肝心の部屋がどこかわからなくてさ』

カタン、と玄関の方で物音がした。


『ドアのところに差し入れ置いといたから。それじゃ』

一方的に言い放って電話が切れた。



え!?

って、ええ!!?


ドアって……この部屋の!?


私はよろけながらも急いで玄関へ行き、ドアを開けた。

誰もいない。

ただ足元にスーパーの袋が転がっているだけ。