黒色女子を個人授業

そういえば、この人はいち早く出世街道に乗った人だったっけ。

そんなことを思い出しながら、大城さんの横顔を眺めた。

彼も将来に悩んだ時期なんてあったのだろうか。

今の姿に余りにも貫禄がありすぎて、想像もつかない。


「大城さんは何か資格を持っているんですか?」

「僕は大学院出だからMBAなら持っているよ」

試しに聞いてみたのに想像以上の答えが返ってきて、たじろいだ。

MBAなんて、難関中の難関じゃないか。

そんな資格を引き合いに出されてしまったら、もう何も言えない。


「管理職なんて、まだ先の話ですから」

力なく笑い飛ばすと、彼は「そんなことないと思うけど」そう言ってパタンと勢いよく参考書を閉じた。

「じゃあ、こんなのはどうだろう?」

彼の言葉に私が斜め上を見上げると、こちらを見つめてニッコリと微笑んでいる大城さんがいた。

「君にぴったりの仕事があるよ」