黒色女子を個人授業

笑われた私は恥ずかしくなって、彼の手から参考書を奪い返す。

私がむくれていることに気付いたのか、彼は笑うのを止めて

「……デザインもいいけど、こういうのは?」

彼は私が聞いたこともないような資格の本を手に取り、パラパラめくって見せた。

「天野さんはこれから先、どういう道に進みたいと思ってる?
現場でバリバリ働くつもりなら、技術を学ぶのもよし、管理職を目指すなら、マネジメント系もいいと思うよ」


『管理職』と聞いて、慣れない単語にポカンとしてしまった。

ただひたすら目の前の仕事をこなすことだけ考えていて、先のことや出世のことなんて頭になかった。

いつの間にかもう中堅。そろそろ出世コースを進む社員とそうでない社員にハッキリと分かれてくる時期だ。

私が管理職?

想像もできないし、務まる気がしなかった。