「天野さんは和菓子好き、ね。
今度美味しい和菓子屋さん調べときます」

大城さんはにっこりと微笑んで、その柔らかな顔立ちをより一層甘くとろけさせた。


随分と好意的な言葉をかけてくれるけど、どういうつもりなんだろう。

イマイチこの人の思惑が掴めない。


なにより、久しぶりにデートなんて単語を聞いたから動揺している自分がいる。

そういえば、男性と二人でこうやってブラブラ歩くのは何年ぶりだろう。

でも絶対、大城さんはそんなつもりで私とここにいるんじゃない。

仕事帰りのおやつタイムにたまたま隣に居ただけだ。

少しだけ浮かれそうになっている自分に釘をさした。

冷静になれ、私。


すると彼は、穏やかな、だけどしっかりとした眼差しを私に向けて言った。

「君のことが気になってたんだ。一度話がしてみたかった」