「た、だ、い、まーーーーーーっ!……どした??」


ご機嫌なトーンで希美が帰ってきて、バッと気持ちと視線がそっちに移る。


「え?あ、いやほら、もう街中クリスマスムードだなぁって……」


「そりゃそーでしょーよ!!だからよろしくね、あたし達のクリスマスは一花の翔琉へのプレゼンにかかってるんだから!」


うへぇーーーー、とか言いながらチラッと窓の外に視線を向けた時には、もうお姉ちゃんの姿はなくて。



……あんなに幸せそうな顔、久しぶりに見たな、なんて……



「でさ、あたしケーキ作っちゃおうかなーなんて思うんだけどさー……聞いてるぅ?」


「……あ、ハイハイ、クラッカー100均にあるよね!」


「いやもう聞いてなさすぎて泣けてくるんだけど」


何故か、希美に頭をぐりぐりと撫でられながら『一花は天然ねぇ』と言われた。