キミへの想いを10文字で。

「いや、見たよ、て言うかちゃんと終わってるから貸すんじゃん。あってる保証はないけど」


「違う違う、これ」


翔琉が何かをすぅっとつまみだす。


あれ?見覚えあるかも……なんだっけ。

あ、そうだ。
翔琉の課題集からパラッと落ちてきた紙だ。適当に挟んでおいたけど、なんかまずかった?


「……見てない。エロ動画タイトル覚え書きとかやめてよね、ほんと」


「書き留めねーよ」


「どーだか」


ああもう、またこんな会話。


でも、翔琉に真剣な雰囲気に持ち込まれたらやばい。

くだらなくてもなんでもいい、このまんま押し通して帰りたい。


「じゃ、ゆっくりエロ動画でも見て残り少ない日曜日をお過ごしください」


立ち去る気満々のあたし。