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「……一花ちゃん、顔が怖い」


「不細工ですみませんね」


「……そんなこと言ってないし」



お姉ちゃんと話すことが出来たのは、あたしがあれから死にそうな気分でバイトに行き、どうにか作った笑顔でファミレスにてオーダーを取りまくって料理を運んで接客し倒して挙げ句店長に『木村さんはいつも楽しそう!悩み無さそうでいいねえ!』と脂ぎった笑顔で言われた後の夜のことで。


相変わらず強めにごしごしとタオルで濡れた頭を拭いているお姉ちゃんの部屋に突撃したところ。


「で、結実ちゃん、なんかあたしに言うことないの?」


「だからぁー、何にもないよ。どうしたの?さっきから」


うふふふ、といういつもの柔らかい微笑み。


その顔はやっぱり物凄くかわいくて。