思わずびっくりしすぎてふわりと身体の重心がずれる。


「バカあぶなっ!ちゃんと掴まれ!!」


……いやいや、ていうか。


聞こえてんの??

聞こえてるならそれならそれで困るんですけど。



そこから先は、怒ったのか、なんなのか。


翔琉がほとんど喋らなくなってしまって。


あたしも、性懲りもなくまた『好き』とか言ったのが聞こえてた?!という恐ろしさから、もう迂闊なことも言えず……。


変に気まずい雰囲気の中、家まで送り届けてもらう。


「どうもありがとう」


「おー、じゃーな」


不自然なくらい、さっさと引き上げてしまう翔琉。


その後ろ姿を見ながら、あたしは激しく後悔をして。


どうして、また好きだなんて言ってしまったんだろう、て言うか聞こえてると思わなかったし。

……だけど。ひとつ分かったことがある。