キミへの想いを10文字で。

「……しょ、しょうがないじゃん、そんなの……」


小さい頃から。


翔琉はお姉ちゃんが好きで、あたしは翔琉を好きで。


ねぇ、あたし達。


いつまでおいかけっこをしていくんだろう。


あたしの言葉なんて耳に入っていないみたいで、我に返ったらしき翔琉が、


「かえろーぜ」


大きめのバックをがさ、と持ち上げてあたしを促す。



「だって、希美……」


「いやお前気ぃ利かせろよ」


あ。そうか。


博己君、希美についに言うのか。


ホワイトデーだもんね。


あたしには関係のないイベントとなってしまったけれど。


よかったね、希美。


「ほれ、行くぞ」


もう一度促されて、並んで校門を出る。