キミへの想いを10文字で。

「……伝言、お世話様です」


言ってからなんとなく″しまった″と思う。


伝言、という言葉から、黒川君とのバレンタインを連想してしまうのは、あたしだけではないから。


「なー、皆すぐお前への伝言、俺に託すよな」


笑ったようなトーンで翔琉が言う。


……ほらやっぱり。


やっぱり、翔琉も、バレンタインのこと思い出してる。


「栗橋にフラれたし、お前もう帰るんだろ?俺もー。アイス奢ってくれてもいいぜ?」


何故に?!脈絡なさすぎ、と突っ込もうとした時。


「……なんで俺達、幼馴染みなんだろな」


まるで独り言のように呟く翔琉。


なんで、って。

あたしだって、何万回も思ってきたよ。


翔琉みたいに、伝言されて、面倒くさいみたいな理由じゃなくて、切実に。