キミへの想いを10文字で。

ごちゃごちゃと考えながらトイレを済ませ、校庭の隅っこに戻る……と。


希美がいない。


あれ?またジュースでも買いに行った??


辺りを見回しても、希美の姿はない。



「……おい」


耳慣れたその声に、身体が反応する。


振り返ると、そこにいるのはさっきまで見つめていた翔琉で。


「あ、お、お疲れ様……部活終わったの?」


「終わったからいるんだろ、ここに」


いや、まあ、そうなんだけど……

口のなかでもごもごと答える。


「希美、見なかった?」


「栗橋ならさっき博己と帰るって」


「……はい?」


頭の中で、希美めーーーー!と叫ぶ。成り行きなのか、仕組んだのかはわからないけど。


「一花に、ほんとごめんって言っといて、って言われた」