キミへの想いを10文字で。

「ねえねえ、希美。あたしさぁ、翔琉が好きなんだ」


希美と並んで、グラウンドを見つめながらつい言ってみる。


「……知ってる」


驚いたような顔をしたあと、笑う希美。


「幼馴染みなのにさ」


「……知ってる」


希美にふわりと抱き締められる。


希美と博己君は、きっと付き合うことになる。


それでも翔琉は今まで通り、あたしと『幼馴染み』で居続けてくれるんだろうか。


あたしの想いは……

……やっぱり邪魔なだけなんだろうか。


遠くで走り回る翔琉の姿は、やっぱりとってもいとおしくて。


今更ながら、好きで好きでたまらない自分に気がつく。


告白をスルーして『幼馴染み』として側にいてくれるのは、翔琉の優しさなのに。