キミへの想いを10文字で。

校庭の隅っこから見るサッカー部。


認識できる人は少ないけど、その中に黒川君を見かけて、何だかヒヤッとする。


もうずっと前の話のような気分になっているけど、付き合うだのなんだの騒いでたのって、ほんの1ヶ月前のことなんだな……。


黒川くんには悪いことをしてしまった。


あなたなら、きっともっと素敵な人が現れるよ、なんて月並みなことしか言えないけれど。



あ、そう言えば。参戦してるってことは、黒川君すっかり怪我治ったのね。


「……っ」


翔琉が目に入り、息が止まる。


視界に入ってくるだけで、あたしの目が、手が、全身が

『翔琉が好き』


って叫んでいるみたい。


ボールを追いかけている翔琉をただ見ているだけなのに、泣いてしまいそうになるのは何故なんだろう。