キミへの想いを10文字で。

「…………っ」


なにが?と言った自分の声が震えていて、やっとあたしは自分が泣いていることに気づいて。


あんなに色々しょうもないこと考えたのに。


泣いたらダメじゃん。


「どうもしないよ、じゃあまたね、早く部活行きなよ」


「いや、だって、お前なんか泣いて……」


「泣いてないよ。明日、楽しんでくるね。翔琉も早く新しい恋見つけなよ?」


翔琉の身体を、うんと遠くへ押しやる。


あたし達は、結ばれない。



例え翔琉がフラれても。


恋の矢印はあたしを射さない。


お姉ちゃんじゃない、別のどこかへ向いていくだけ。


あたしの恋は、実らない。