キミへの想いを10文字で。

「あ、そう言えばね、朝来てた子いるじゃん?あれね、テニス部の子」


やっぱり……だから、何となく見たことあったのかな。


「でもさぁ、あたしに相談してきた子とはまた違うんだよねぇ。もてるんだね、黒川」


……へぇえ。


何となく、返事をできずにいると。


「しかも。知ってる?手編みのマフラー渡したらしいよ!大分想いこめてるよねー、それ」


あの、柔らかそうな大きな包み。


そんな想いの詰まった物を、あんな嘘と共に押し返しちゃって。


……まぁ、嘘って言い方もどうかと思うけど。


罪悪感で胸が苦しくなる。


やっぱり、このままじゃまずいよね。


「……どうしよう」