キミへの想いを10文字で。

さっきの博己君の半分もいかないようなボリュームだったけど、なぜかあたしの耳にはしっかり届いた。


見ると、黒川君が、廊下から手招きしている。


博己君はというと、とっくに翔琉達の輪の中で笑っていて。


希美も、目で″行ってきな″と合図を送ってくるので、小さく頷き、急いで駆け寄る。


早くしないと、チャイムが鳴っちゃうし。


て言うか、さっきの女の子は帰ったの?


とりあえず、駆け寄り、ひょいと顔を廊下に出すと…………いるじゃん。


そこにいたのは多分1年生。

見たことある気がするから、テニス部の、子かもしれない。


……にしても。

思わずその可愛らしさに見とれてしまう。


小さくて、美人と言うよりカワイイ感じ。真面目すぎることも、やり過ぎてることもない、程よく″フツーの″可愛らしい子。