キミへの想いを10文字で。




教室の朝は、変わらない。


いつもと、何一つ。あたしが、黒川君にチョコをあげようが、翔琉にあげなかろうが。


……そう思っていたのに。


「おはよー!」


「おはよー!!」


先に教室にいた希美と手を取り合って挨拶をして。


もう、何から話そうー、なんて、意気込んでいたとき……


「黒川ーーーーっ」


教室中に響き渡るような博己君の声。


やめて、今はその名前心臓に悪い……と、チラッと声のした方を見てみる。


教室の後ろのドアのところに、チラチラと人影が見えて。そこに立つ博己君。呼ばれて歩いていく黒川君の後ろ姿。


……なんだろう?