キミへの想いを10文字で。

チョコレート……かぁ。


「チョコレート、さぁ」


!!!


あたしの心の声が漏れたのかと、思わず勢いよく翔琉の方を見る。


「結局今年、博己と同じだった。42個」


拗ねたように翔琉が言う。……て言うか去年より増えてない?!


「でさー、アイツは熱出して寝てたっつー不利な状況なわけだから、自分の勝ちだとか言い出すわけ」


「あー、確かに」


「でも俺は一花の分もらってねーから本当なら俺の勝ちだとか言ってみたんだけどさー」


「…………」


そんな。

『一花の分』


その、あたしからのチョコチップクッキーは、黒川君にあげてしまった。


今更ながら、暗い気持ちになる。


翔琉は単に、博己君にチョコ獲得数で勝てなかった、という話をしているだけなのに、あたしの心臓は締め付けられる。