キミへの想いを10文字で。

こんな風に考えるのって、おこがましいかもしれないけど。


『このチョコは自分用ではない』=『告白の返事はNO』という事実を察した黒川君の笑顔は、偽物みたいで。


翔琉にフラれて泣いていた自分の姿と重なって……。


可哀想、とも違う。


ちゃんと笑ってほしいと思ってしまって。



「……これ、あげる」


気がついたら、一旦後ろに引っ込めたチョコチップクッキーを、黒川君の手の中に押し付けていた。


「……え」


「あげる。どうぞ」



あたし達の間に、変な空気が流れる。



「………翔琉から伝言、聞いてないの?」


「……聞いたよ」


「…………」




『OKなら、チョコをください』


あの言葉が脳内で再生される。