なにそれ??なんか、よく分からない。


「……とりあえず、黒川君は、そんな悪巧みとかはしなそうなタイプっぽいけど……」


庇うわけじゃないけど、誤解をされるのは可哀想な気がして。


「そぉ~かなぁ~あ~~」


小バカにしたような口調で返してくる希美。


オーブンの、余熱完了サインがピーピーと鳴り響く。


手早くバットに生地を流し、オーブンにセットするのをただ見ているだけのあたし。


作業が一段落したためか、エプロンを外す希美。


「一花の、エプロン超きれいね。粉ひとつ付いてませんが」


ほぼ、立ってただけだからね。


「………さーせん」


「ね。仲直りにうってつけじゃない?バレンタイン。チョコ渡してさ、ごめんねって言っちゃえば?」


……へ?