だけど、仲直りって言ったって……。


どうにもならないでしょ。お互いに『関係ない』とか、言っちゃっているわけだし。


……なーんて、思いっきりここ最近の、学校での様子を思い返していると……



事の流れを全部把握している希美に、

「さすが、黒川は頭がイイよねぇ」

なんて、クッキングペーパーを切りながら言われてしまい、急に不安な気持ちになる。


「……なにがよ?」


思わず、希美の顔を見る。


希美は、手早く砕いた胡桃を、生地に混ぜ込みながら、ちょっと笑っているようで。


「だってー、翔琉に臭わせたかったんでしょ、一花を狙ってるって。んで、思惑通りあんた達がぎくしゃくしてんだもん、今頃笑いが止まんないんじゃないのー?」


コッコッコッ。


ボウルに、ゴムベラの当たる音だけが聞こえてくる。