キミへの想いを10文字で。

「なんで分かったの?」


「……博己に、確認したに決まってんだろ」


バカじゃねーの、とでも言いたげな冷たい視線を浴びせられて。


「あたしの、お姉ちゃんって……?」


「あ、それはなんかアレなんで、兄貴の彼女の名前聞いた」


逃げ道が見つかった気がしてほっとする。

アレなんで、って、何なのよとも思うけど。


「じゃあ間違いかもしんないじゃん、ゆみ、なんて名前の子山ほどいるよ?」


「お前ほんとにバカじゃねーの……」


翔琉がついに心の声を漏らす。


「もう顔見てピンときてんだよ、こっちは。名前なんて最終確認だよ。やっぱりそうか、っつー諦めだよ、あってもなくても同じだけど、とどめをさしただけだっつーの」


言い切ってから、小さくゴメンと呟く声が耳に届く。