キミへの想いを10文字で。

「知ってる、って言ったじゃん?」


唐突に始まるその話は、全貌が見えない。


「……なにを?」


聞き返しながら、脳ミソ、フル稼働。

そんなあたしに若干いらっとした空気を出しつつ、翔琉が続ける。


「結実ちゃんの、彼氏のこと」


…………へ?なんだか、あたしの想像していたのとは違う方向へ話が流れていくような……。


「あぁ、うんうん」


でも、そういえばそんなこと言っていたっけ。


すっかり忘れていたけど。


「知ってる、とか言いつつ矛盾してんたけど、認めたくない気持ちもあって、自分自身誤魔化してたんだけどさ……」


何だか煮え切らない態度。翔琉にしては珍しい。

「あの人さ、博己の兄貴なんだ」



………………え???