キミへの想いを10文字で。

そうやってぐずぐずと過ごしているうちに、窓の外が夕暮れ色に染まっていく。


どうせ勉強なんて出来ないし、ちょっと外の空気でも吸おう、と一階に降りてみると、リビングから音と光が漏れていて。


ちらりと覗くと、ママとお姉ちゃんの姿。


「あー、いたのね一花。よく寝た?」


あたしに気づいたママがこたつでみかんをむきながら声をかけてくる。


「……寝てないけど?」


つい、ぶすっと答えてしまう。起きてはいたけど、実際は寝ていたも同然の、ぼんやり具合だったけどね。


「テスト期間中はいつもよりよく眠るから肌つやがいいもんねー」


ママの、しょうもない台詞に隣でお姉ちゃんがうふふと笑っている。


……ふんだ。


玄関に向かうあたしの背中にママの声が降ってくる。