キミへの想いを10文字で。

「博己ー、そういう脅迫、反則だからなー!!ノーカンになるぞ、栗橋からのチョコ」


遠くから翔琉が大声で言い、


「なんだよふざけんなよ、ちげーよ俺の好みを伝えただけだ!!」


大声で返しながら博己君が帰っていく。


……残された希美をちらっと見ると……真っ赤っか。


「……よかったね。希美」


てっきり恥ずかしがっているんだと思った希美の顔は、曇っていて。


……な、なんで??


「やっぱ、見込みないよねぇ……」


消え入りそうな声で呟き、うつ向いている。


今のやりとりで、あたしにはラブラブ両思いに見えたのに。


「なんで?」


あたしも小声で聞き返す。


「……義理チョコ請求するとか、完全に友達じゃん」