小学生の頃はあたしよりうんとちっちゃかったくせに。


あたしが、自分の気持ちに気が付いた時には、翔琉の目線は同じ高さで。


あっという間に抜かされて。


翔琉との身長差が開けば開くほど、あたしの気持ちは育ってく。


……だから、もう、大きくならないで。なーんて。


「じゃーなー!」


バス停からの帰り道、翔琉の家が手前にあって、二軒挟んで奥があたしの家。


それなのに、こうやって、あたしの家までなんとなく一緒に来て、帰っていく翔琉。