キミへの想いを10文字で。

「あ…………」


「ん?まさか無くした?!」


……ヤバい。


あたしのプレゼントは、すでに黒川君にあげてしまった……。


でもそれ、希美に言ったらなんか変な誤解それそう……。


「あー、うんうん、そう。なくしちゃった、大掃除で」


他に言い方もあるだろうに、ついつい隠すような結果になっちゃった。


でも……そうだよね。あげたんだった、黒川君に。


久し振りに自分の思考回路に飛び込んできた名前がなんだか新鮮。


冬休みの間中、いかに翔琉のことばっかり考えていたか、改めて思い知らされた感じ。


「どんだけ大規模な掃除したのよー!」


希美が楽しそうに笑う。


へへへ……と合わせて笑っていると、


「木村!」


急に呼ばれてハッとする。