「あーやべぇ、うちもそっちに負けず劣らず本気なんだった」


「そうだよね、桐原家も結構な気合いだよね」


もう一度、いつもの感じで笑い合う。


「じゃ、またね」


「おーー」


足早に、家へと向かう。


もう少し進んだら、振り返ってみようかな、と思った時……


「一花ーーーーーっっ」


翔琉に呼ばれて。急いで振り返ると、


「は、な、め、が、ね!」


ジェスチャーつきで、ご丁寧に。


……いやいやいや、なにそれ。


ドラマとか漫画だと、ここでサンキューとかさ。す、好きだとかさ。……なーーーーんて!!バカバカ、あたしのバカ!


「や、り、ま、せ、ん!」


同じトーンで返して、バイバイをして家に入る。