幼い焔は柔らかく、 懐かしい匂いがした。 胸に抱くと、 泣きながらしがみついてくる。 幾晩も繰り返すうちに、 焔のもとに行けない夜は、 どうしているだろうかと 気になって仕方がなかった。 少し大きくなり、 添い寝が必要なくなった頃、 胸にぽっかりと 穴が空いたような感覚がした。 思春期を迎えた焔は、 痩せてはいるが、 丸みを帯びた体つきに変化し、 わたしは言い寄る男たちを 蹴散らすのに力を使った。