気がつくと、終着駅。 目的の場所へは、ここからそう遠くない。 通い慣れた道を歩きながら、 先程の出来事を思い返し考えた。 強さまで感じる美しい容姿。 漆黒の長い髪に、背中に黒い翼。 たしかに既視感はある。 それに、わたしの名前を知っていた。 日暮焔(ヒグレホムラ)。 あの匂いも時々嗅いでいる。 けれども、あれは、ひとではない者。