「なんかイメージと違ったねー」

「うん...」

昼休みが終わって教室に向かっている間、紗那との話題は柊くんの事だった。

正直、あんまり話したくなかったけど紗那の勢いは止まりそうにない。

「柊くん...だっけ。あの人めっちゃ喧嘩強いんだってー」

柊くんの優しい笑顔が目の前に浮かぶ。あの人が暴力なんてするの?

喧嘩が強いって聞いてさっきまでの柊くんのイメージがどんどん崩されていく。

「雫の初恋、叶わなかったね」

「:ちがうから!」