「いってくる。」
「うん。いってらっしゃい。」
23時。
ジーンズとパーカーを着た瑠衣はスニーカーを履いて家を出た。
今日はいつもより早く仕事に出掛けた瑠衣。
わたしはラジオのニュースをつけて掃除を始めた。
―ピーンポーン
少しするとインターホンの音が聞こえた。
モップをその場に置き、画面を覗くと見えたのは
「明野さん?」
とりあえず受話器をとる。
「はい。」
「あ、美歌ちゃん、かな?
あのね、その…ちょっとお話しが、したくて…」
わたしはなぜかそう聞いて直ぐにドアを開けるボタンを押した。
そして、
「とりあえず中、入って。」
それだけ言って受話器を置いた。
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