その後、明野さんはある一点を見つめ、あ、と音を漏らした。
彼女の視線を辿るとアナログ時計が見えた。
短い針がもう少しで12を指そうとしている。
「ごめんね、こんな時間までお邪魔して
あたし、帰るね」
そう言って明野さんは黒いソファから立ち上がった。
「危ないから送るわ。」
わたしも椅子から立ち上がって言った。
普通の女の子が出歩くには時間が遅すぎる。
案の定明野さんは何度も遠慮していたが、なんとか説得し、彼女のマンションまで送り届けることができた。
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