あれから約4時時間後。

―キイッ キイッ

わたしはパーカーのポケットの中にカッターと小刀を忍ばせ、最寄りのスーパーから帰宅しようとしてたところだった。

音を聞くと反応するのは当たり前で、わたしはピクリとそちらに目をやる。

俯きながら公園のブランコに座ってキイ、キイ、と音を鳴らしているその横顔は見たことのあるものだった。


立ち止まって見ていると、やがて不規則に立っていた音は聞こえなくなり、変わりにうっうっと何かを我慢する音が聞こえてきた。

その何かが何であるかは明白で。
彼女が誰なのかもわかりきっていて。

わたしは一歩、また一歩と足を進めた。

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