「おはよう、瑠衣、美歌ちゃん!」

元気にわたし達に挨拶をしてきた笠原 玲。

それに続いて松下 大和はフッと笑い、立花 守も挨拶をしてきた。
青山 大河はこちらを睨んでいる。

「よー、お前らが噂の編入生かー?」

へらっとした笑いのまま男はわたし達にそう訊ねた。

「どういう噂なのかは知らないけれど、昨日編入してきたのはわたし達よ。」

「ふんふん
じゃ、昨日玲が騒いでたのは2人だねー
俺は中山 景だから好きに呼んでー」

常にへらへらと笑っているその男、もとい中山 景。
とても、頭が弱そうに見える。


「あたし、明野 沙菜、です。
よろしく、ね?」

さっきの柔らかい笑顔とは違い、少し緊張し、固い笑顔を浮かべる明野 沙菜。
片言なその話し方だけで彼女は人と接するのが苦手なのがわかる。


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