嘉夏と出会った時のことが鮮明によみがえる。

「俺、山浦嘉夏。よろしくな!」

「おい、春木ー!……」

「何本ばっか読んでんだよ、春木!」

「春木ー、飯いこうぜー!」


……ふっ。なんなんだよ、あいつ。春木春木って。俺といたって面白くねぇだろうに。

…………ごめんな、嘉夏。


大地は何かを決意したように栞の方を向いた。